セトちゃんの「元気! 勇気! 笑顔!」

8代目体操のお兄さん「セトちゃん」こと瀬戸口清文の言葉、あそびのアイデア、講演の記録など、保育・子育て応援情報をご紹介します。

「世界平和」を語るわが息子の成長

東京深沢界隈を五里カットのツルツル頭で闊歩していた

私の大学時代には考えられない醜態に心の置き場を捜す日々。

例えば電車の入り口付近で集団でベタ座りして

耳を塞ぎたくなる話を平気でしている女子高生たち。

お年寄りが目の前に立っていても大股開きで知らんぷりのヤカラ達。

この国はどうなってしまったのか。

「息子が子育てに一喜一憂するであろう近未来に虹はかかるのか」

と心配になってしまう。

もっとも虹がかかるかではなく

自らの行動で虹をかけるかどうかが重要だとは思うが。

さてさて、大学四年目の息子の個性が浪花の空気を吸ってどう成長したのか! 

先達て息子に「職業を睨んでのキーワードはなんだ?」と聞くと

暫し天を仰いでから答えてくれたのは「世界平和」だった。

これまたでかく出たなと思いながら話を詰めていく中で

生きた言葉が次から次に息子の口を衝いて出て来た。

「生意気にもいい成長しとるわい!」と心の中で思わずニンマリ。

諸先生方の、特にゼミの先生の教えをしっかり受け止めながら

自己葛藤を繰り返している様子に感謝。

寂しい思いはしたが関大に行かせて良かったと安堵。

「自由とは責任」の意を忘れたミーイズム氾濫時代に

「人の役に立つ仕事に就きたい」とあっけらかんと言ってのける

息子を生み育ててくれた女房にも“ついでに”感謝。

思えば我が家は「握手の館」だった。

「行ってらっしゃい」「おやすみ」等の挨拶の時にやたら握手をした。

と言うより私が無理やりさせていた。

握手をするときは本能的に目を見る。

そして握り返す力で、おおよそその時の調子が見えてくる。

勿論、今でも息子は照れ臭そうだが私との握手を拒否しないのが嬉しい。

さすがに幼少の頃よくしてくれたチュッチュはなくなったが。

その息子は今、大学院を受験するかどうか考えあぐねている様子。

自分探しの為にも大いに思い深めて欲しいと考えている。

焼酎好きの私に付き合って、「酔った酔った」と

赤ら顔で話を合わせてくれる息子の快活さは

きっと大学院での研鑽も人間関係も

“うまく”乗り越えて行くだろうと楽観視している。

何にせよ若い時代に小舟で大いに揺れ揉まれながら、

時には嘔吐し反省を繰り返しながら

忍耐力溢れる個性を伸長して欲しいと願うばかりである。

更に言えば、男としての人間力向上の為に今学習を重ねている

心理学からの学びを重ね合わせながらの成長を期待している。

(2005年夏)