子どもの運動あそびが拓く世界
子どもの運動あそびが拓く世界 ~あそぶ力のFUNdamental~
テレビ放送元年(1953年)鹿児島の山奥に生まれ野猿のように育った私。
私の価値観と私のDNAを受け継いだとはいえ、平成生まれであらゆる情報がスイッチポンで入手できる時代に育った私の娘の価値観は当然の事ながら違うようだ。
がしかし、互いに「楽しむ力」は、かなり似ている。
「音楽が好き!」「すぐに踊り出す」「人を喜ばす事が好き!」等々、それは互いの「あそび心」が似ているに他ならないという事だろう。
さて本テーマの「あそぶ力のFUNdamental」は「あそぶ力の“基本fundamental)”を楽しんで探求しよう!」という事と私は捉えている。
運動にあそぶ力が必要なのか?
運動や体操が「より健康でいたい」という人間の欲求に呼応して生まれた文化とするならば、それは“あそび”ではなく“学び”の視点が重要と考えるべきか?
否、“学び”は“まねび”から始まる。特に幼児はそうだ。
特に低齢児がまねっこを楽しむのは、そこにまねっこしたくなるような楽しい表現やその気にさせる言葉たちが溢れているからに違いない。
まさしく、わくわくするような心弾むムードが成せる技‼ これこそが「健康的思考力」溢れるあそび心のチカラではないのか!
子どもたちは「体力をつけよう」と思って走るのだろうか?
そこに走りたくなる仕掛けがあるから思わず走ってしまう!
そんな子どもたちの姿を私は41年間追いかけて来た。
本講座では、その瞬間を捉えた実例も交えながら「子どもたちが思わず動きたくなる」ために必要な「あそぶ力のFUNdamental」について、私の研究テーマである運動あそびをベースに問いかけて行こうと考えている。
自らの楽しむ力は、子どもたちを「楽しませる力」である事は言うまでもないが、「楽しみ合う力」こそ本テーマである「あそぶ力のFUNdamental」ではないのだろうか。
いずれにせよ、「健康的思考力は“温もり”から生まれる」と私は考えている。
(2014年夏 講演録より)