幸せは自分の○○が決める!?
「プラスのことを口にすれば夢は叶う」
夢が叶うの「かなう」という字は「口」+「十」と書きます。
これはどうやら「+(プラス)」のことを「口」にすることで夢が叶うということのように思えます。
なるほどと思いながらふと自分のことを考えてみると私は結構心配症で考えすぎるところがあり、夜眠れないこともしばしば。
でも大抵は人との良好な関係を願いながらの“くよくよ”が多く、これは決して悪いことばかりではないように思えてきます。
そういえば、心配症とsympathy(シンパシー/共感)は似ているかも…。
といったような、実に都合のいいポジティブな発想も私の個性であり、これは自分のネガティブさを都合よくポジティブに支援してくれる、ありがたい個性かも知れません。
それともう一つ思うのは、教育に携わる人は多少心配性なところがないと子どもたちの安全管理はできないかもしれないということです。
「大丈夫」「なんとかなる」は、安全管理がしっかりできている人の言うこと。
細やかな配慮や気付きがないと、子どもたちの心の声も聞き逃してしまうのではないでしょうか?
こうやって考えていくと、やるべきことをやっていないと願いは叶わないということであり、願いや夢を叶えるためには具体的なプランが必要であるということでしょう。
「幸せは自分の言葉が決める」
子どもたちの健やかな成長を願いながら教育のプランを立案するわけですから、その願いを叶えるためには、実践にあたって子どもたちの心に届くプラスの言葉をいかに添えられるかが重要なポイントです。
そしてその立案したプランの善し悪しを決めるのも教育者である私たちの言葉です。
それがいかに子どもの心にヒットするかが鍵を握っているということで、そのためにも自分から放たれる言葉や表情がいかに人の心を繋ぎ、響かせる言葉であるかどうかを普段からチェックすることが大切なことではないでしょうか?
「幸せは自分の心が決める(相田みつを)」は、まったくもってその通りですが、心の豊かさは、美しく力強い言葉たちによって形成されていきます。
幼少期は、まだまだその初期段階。まさに表情豊かな言葉かけが重要です。よって子どもたちにとっては、「幸せは自分の言葉が決める」ともいえるでしょう。
(2011年 夏の保育者研修 レジメより抜粋)
子どもの運動あそびが拓く世界
子どもの運動あそびが拓く世界 ~あそぶ力のFUNdamental~
テレビ放送元年(1953年)鹿児島の山奥に生まれ野猿のように育った私。
私の価値観と私のDNAを受け継いだとはいえ、平成生まれであらゆる情報がスイッチポンで入手できる時代に育った私の娘の価値観は当然の事ながら違うようだ。
がしかし、互いに「楽しむ力」は、かなり似ている。
「音楽が好き!」「すぐに踊り出す」「人を喜ばす事が好き!」等々、それは互いの「あそび心」が似ているに他ならないという事だろう。
さて本テーマの「あそぶ力のFUNdamental」は「あそぶ力の“基本fundamental)”を楽しんで探求しよう!」という事と私は捉えている。
運動にあそぶ力が必要なのか?
運動や体操が「より健康でいたい」という人間の欲求に呼応して生まれた文化とするならば、それは“あそび”ではなく“学び”の視点が重要と考えるべきか?
否、“学び”は“まねび”から始まる。特に幼児はそうだ。
特に低齢児がまねっこを楽しむのは、そこにまねっこしたくなるような楽しい表現やその気にさせる言葉たちが溢れているからに違いない。
まさしく、わくわくするような心弾むムードが成せる技‼ これこそが「健康的思考力」溢れるあそび心のチカラではないのか!
子どもたちは「体力をつけよう」と思って走るのだろうか?
そこに走りたくなる仕掛けがあるから思わず走ってしまう!
そんな子どもたちの姿を私は41年間追いかけて来た。
本講座では、その瞬間を捉えた実例も交えながら「子どもたちが思わず動きたくなる」ために必要な「あそぶ力のFUNdamental」について、私の研究テーマである運動あそびをベースに問いかけて行こうと考えている。
自らの楽しむ力は、子どもたちを「楽しませる力」である事は言うまでもないが、「楽しみ合う力」こそ本テーマである「あそぶ力のFUNdamental」ではないのだろうか。
いずれにせよ、「健康的思考力は“温もり”から生まれる」と私は考えている。
(2014年夏 講演録より)
体力はどうやって身につける?
できなかったことや、一生懸命にがんばってできたときは「やったー!」と、飛び上がってしまうくらいうれしくて、ほかの人に見てもらいたくなります。
そのがんばる力は、まずはがんばる気持ちがないと生まれません。
がんばる気持ちを支えるのは「体力」です。
体力は、バランスの良い食事や十分な睡眠が大切ですが、何よりも運動をしない限り向上しません。
運動をすることで体の中にパワーが生まれます。
そのパワーは考える力も生みます。
体を動かすことで、体の中のあらゆる機能が刺激され、脳の働きもよくなるからです。
さらに、友だちと一緒に体を動かすことで、力を合わせることや助け合うこと、やさしさなどが生まれ、「負けないぞ!」という気力も身につきます。
友だちやおうちの人と、いろいろな外遊びを楽しんだり、スポーツにチャレンジしたりして、体を動かすことの楽しさを味わってみましょう!
(2014年3月 小学生に向けてのメッセージより)
運動は運を動かす「Happy Movement」
人の喜びや悲しみを我がことのように分かち合える人は幸せです。
なぜなら、分かち合った人の数だけ「ありがとう」や「ごめんなさい」の幸せな言葉がスキップしながらいっぱいいっぱいやってくるから!
「人生は優しさを深めていくこと」と思います。
それは、心が健康でなければできないことだとも思います。
「健全なる精神は健全なる身体に宿る」(ローマの詩人ユウェナリス)のも事実。
「生涯健康でいたい」「幸せになりたい」は万人の願い。
願いをかなえるには努力も必要。
待っていてもやってこない!
幸せを引き寄せるには、幸せな考えで行動しなくては!
「運動」とは、そのための活動だと思います。
だから私は、「運動」を「Happy Movement」と呼んでいます。
「幸せはいつも自分の心が決める」(相田みつを)
幸せを呼び込むか否かは自分次第。
さあ、はずむ心でつながって、思いっきり元気にわっしょい!
Happy Movementしましょう!
(研究生へのメッセージより)
憧れはエネルギー! 子どもたちを照らす7つの自覚と把握
「人は本来、仁義や慈悲の心を持っている」と吉田松陰は言いました。
では子どもたちがその心を失わないために、私たち大人はどうすればよいでしょう。
それは言うまでもなく、大人たちが心豊かな光を忘れず、子どもたちの足元を力強く照らし、導いてあげることでしょう。
幼少期にかかわる私たち保育者・教育者は、心豊かな光を保つために日々の努力が肝要です。
そう考えると幼少教育にかかわるのは責任重大。その責任を全うするためにも、自らの心のメンテナンスが大事。とにかく子どもも大人も心弾ませて取り組めるように、「健康的思考力の向上」が最重要課題なのです。
健康的思考力を高め、子どもたちとの幸福感あふれる関係づくりには、「じょうずより情熱!」です。
まずは私たちが心を開放して、楽しみましょう!
決められた動きや振付に縛られることなく、にこやかに動き楽しめば笑顔がいっぱいに広がります。
子どもたちにとって、先生の笑顔は憧れです。憧れはエネルギーです。
「喜びじょうずは幸せじょうず!」
「拍手の数だけ幸せ来るよ!」
子どもたちの足元を照らすに“ふさわしい光”を持つために、自ら振り返ることも大切。7つのポイントを紹介しますので、ぜひ活用してみてください。
みんなの心がつながって、心がぽっかぽかになりますように!
★子どもたちを照らすための7つの「自覚」と「把握」★
~自分のチカラを知る・子どもたちのチカラを知る~
1.ムードメーカーであることを自覚する
先生が光れば子どもたちも輝く! 楽しまないと楽しめないね!
自ら率先してムードメイクすることを考えよう。
2.伝達力を自覚する
言葉かけ・指示は3S(slow,short,smile)で! 気のないところに実はならない!
その気にさせるための言葉の選択、表情、メリハリを考えよう。
3.理解できているかどうかを把握する
百聞は一見にしかず~Simple & Sample is best!~
ルールや難易度は適切かどうかを考えよう。
4.心身の発達程度を把握する
無理せず、強いることなく、段階を踏んで!
発達に適した内容かどうか考えよう。
5.個性・個人差を把握する
達成感は生きる力! 認められて強くなるもの。
自らがんばる力が湧きあがるような助言・補助・タイミングを考えよう。
6.子どもは飽きやすいことを自覚する
夢中は成長の父。指導はMVP(Magical & Variety Program)で行こう!
子どもたちが飽きないように、様子に応じてアレンジしたりプログラムを変更するタイミングを考えよう。
7.安全管理の重要さを自覚する
事前準備はしっかりと! 指さし確認忘れずに!
不安は安心の母。安全・安心に対する配慮が足りているかを考えよう。
(2007年夏 講演録より抜粋)
「0年生」の先生へ~実習におけるチェックポイント~
「実習に向けての心と体の準備について考える」
初めての実習で不安になるのは当たり前!
不安になるとうまく「動けない」「話せない」「笑えない」のが普通。
しかし緊張感がなく、なれなれしい実習生が来たら、受け入れ側の先生たちはどう思うでしょう? 教えがいがあるでしょうか?
先生方は実習生だったころのドキドキ感やヘタクソ感を思い出しながら、多様な視点で指導してくださることでしょう!
緊張するのは慣れていないだけ。慣れていないから一生懸命がんばろうとする。ところが子どもたちは実習生の一生懸命さを「この先生は僕たちとしっかり向き合おうとしてくれている!」と本能で感じてくれているに違いありません。少しくらいの緊張は問題なし!
しかし緊張しすぎると能力は低下します。
【緊張するとどうなりやすいか?】
1.「早く伝えないと忘れてしまいそう!」と焦る気持ちは、早口になってしまいがち
2.自信のなさが声のトーンに現れ、聞き取りにくい小声になってしまいがち
3.自分でも何を言っているのかわからなくなるくらい、説明がくどくなってしまいがち
いずれも言いたいことが伝わりにくく、子どもたちは“きょとーん”としたり、ざわつくことも。
【チェックポイント】
1.まずは焦らずに子どもたちをよーく見渡しましょう
・ちょっとお茶目な表情で、勿体つけるくらいに!
・「何を話すのかなあ」とあなたの言葉を待っています! でもここで「バシッと決めよう!」と力まないこと。力むとずっと力みっぱなしになって、お互いに疲れてしまいます。
2.長い説明は禁物! 簡単明瞭、手短に!
・伝えたいことを事前に書き出しておきましょう。
・最短の説明で済むように声に出して練習、確認しておくことが大切です。
3.伝えたい、活用したい教材はしっかり練習しておこう!
・先生がまごつくと、子どもたちもまごつきます。ゆとりをもって指導ができるようになるまで何回も練習しておきましょう。
・うる覚えは失敗のもと。本番前にリハーサルをしておきましょう。
・保育実習の場合、折り紙などは時がたつと忘れがちなので要注意。歌う場合はプロンプター(ガイド役)の役割があります。歌詞は覚えておきましょう。
(2015年9月吉日 大学の講義録より)
大人の○○が子どもの幸せを決める!?
「幸せはいつも自分の心が決める」は相田みつをさんの言葉。
これは「自分の考え方次第だよ」の客観的視点の言葉で実に納得のいくメッセージですが、“主観”“本能”で生きている子どもにとって、この言葉の感覚は理解できるのでしょうか?
「我慢」というブレーキシステムのない乳児は勿論のこと、幼児にとって無邪気パワー全開の自己中心さが特性故に、まだまだブレーキの効きは甘い!
思い通りに行かないと泣くはわめくはの大騒ぎ!
育児・保育の苦労はやった人でないとわかりません。
がしかし上手にできた時に見せる子どもたちの笑顔の光が苦労を忘れさせてくれるのも事実。
そんな自己中心な子どもたちの命を守ったり、楽しい活動の中でステキな言葉、力強い言葉を投げかけながら、やさしさや仲良しの力を育むのは大人の表現(表情や言葉たち)が大きな大きなカギを握っていることは言うまでもありません。
その鍵は子どもの人間形成に大きく影響すると言っていいでしょう。
そう考えると「子どもの幸せは大人の表現で決まる」と言っても過言ではなさそうです。
ステキな言葉に囲まれて育つ子どもの心には、きっと思いやりの花が咲き、心無い言葉からはトゲ刺す意地悪な心、言葉が姿を現すかもしれません。
もっとも人生トゲはつきものと考えると、刺されないようにすることも大事だし、刺されたら抜いてくれる人も必要。
そして自分で抜く方法を覚えていく! このことこそが“育つ”ということかもしれません。
いずれにせよ経験を積んでいくしかありません。
そして、その過程でどんなおとなのどんな表現に出合ったか!
その出合いの力次第で負けに強い・弱い等の我慢の力の育ちさえも左右されることは充分考えられることです。
これらの乗り越える力こそが生きる力の源であり、生きる力が育たないと真のやさしさもきっと育たないのかもしれません。
「こどもの生きる力=幸せの鍵」を握るのは大人であり、大人の責任であることを今一度、心にとどめておくことにしましょう。
(平成24年1月)